冬の間のバラ
もう何年も前、親戚のおばの家に遊びに行ったとき、そのよく手入れの行き届いた庭にバラが何種類も咲き誇っていました。素敵だったのはバラたちの姿形だけでなく、どのバラもそれぞれとてもいい香りがしたのです。
花を見て、すてきだな~と思うことはあっても、自分で育ててみようとはそのころまでは思ったことがありませんでした。きっとおばの趣味が私の好みとあったのだと思います。数多くあるバラの中から彼女の選択した数種類のバラは私が好きなやさしい色合いで、形も私が今までバラと言って思い浮かべるそれとは違っていました。なんだか一発でとりこになりました。
アパートが狭くなり自宅を購入したてだったこともあり、「庭がある~! 私もバラが育てられる!」とにんまりしたのを覚えています。何もなかった庭に、畑や駐車場を整えるよりも先にバラの花壇が登場しました(笑)。おばの庭から挿し木で育った「グラハムトーマス」が最初にうちに来た子です。バラの苗は結構いいお値段がするのです。なので、それから数種類はすべておばの家からの養子の子でバラ苗が増えていきました。そのうち自分でおばの家にもない種類にも挑戦してみたくて、バラ苗カタログを毎晩毎晩眺めては印をつけ、ようやく数種類にしぼったりしたものです。それから数年間、カタログが出るたびに1つづつ苗を注文していました。
しかーし! バラたちは結構手のかかる子なのです。害虫がきたり、病気になったり、枝を剪定して面倒をみないと、枯れてしまうことはなくても花をぜんぜん咲かせてくれないのです。でも、その頃はまだこの仕事を始めていませんでした。なので比較的時間に余裕があり、手入れも楽しんでできました。それがここ2年ほど、手入れが手抜きになったのです!! 忙しいからと言ってしまえばそれだけなのですが、花の咲かないとげとげの虫がいっぱいついている植物はなんだかホラーです。何年かは枝が折れるのではないかというくらいたわわに花をつけ、摘んでは部屋に飾りとても優雅な気分にさせてくれたのに、今はホラーです。庭に出るたびに心の中で「ごめんね、今はそれどころじゃないから。」とつぶやきました。
でもでも、やっぱり放置はだめですよね~、潜在能力があるのに引き出してあげていない。なんだか子育てやレッスンに似ています。こういうことが好きだからこの仕事も大好きで、バラも手をかければかけるほど応えてくれる点で同じなので、花の時期だけでなく茎だけの冬の時期も愛おしく思えてお世話も楽しかったはず。きれいな庭が目当てで来てくれる生徒さんも増えるかも?!(笑)なんて思ったりして、またお手入れ頑張ることにしました。
すると、バラ大好き病が再度発生! 新しく苗を購入してしまいました! 永年何度も買おうとしてやめていた「クレアオースチン」。(写真の苗です。)こんな立派な苗が届きました。秋の終わりでまだ少し蕾が付いた苗が届いたので、現在それらが次々と開くのを楽しんでいるところです。来年の春にはさらに元気で大きな株になるようにお世話を頑張ろうと思います。なんともいえない優しいクリーム色の大輪の花とため息の出てしまう香りを来春楽しみにしていてください。
生徒のみなさんが花を咲かせてくれるのはいつかな~。こちらは放置できません。水をやり、いたんだ葉はとりのぞき、虫を防ぎ、たまには寒さにあて厳しく接しいつか大輪の花を咲かせ、かぐわしい香りと共に他の人を魅了するようになってほしいなと願いつつ。
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